アメリカ大統領選挙の最中に垣間見えた、世界を悪い方向に導いている人たちの正体

アメリカの大統領選挙が佳境ですね。
バイデンになるか、トランプになるのか。
どちらが当選するのか結果も気になりますが、個人的には今朝結果以上に気になるニュースを見てしまいました。
それは、今日の株価です。
バイデンの優勢が伝えられるとともに株価が急激に上がったのですが、それは投資家たちがバイデンを支持しているからだけじゃないというもの。
NHKの解説委員によれば、株価が上がったのは、大統領選挙と同時に行われていた上院議員選挙で共和党の過半数越えが決まったからだということです。
下院では民主党が過半数を超えています。つまり、上院と下院で過半数を超えている政党が違うので、ねじれが起きるということです。
それがなぜ株価の上昇につながるのか。
ポイントはバイデンがGAFAをはじめとする大手企業に対して大幅な増税をすると公約に掲げているという点です。
もしもバイデンが当選し、下院も上院も民主党が勝てば、この公約は恐らく守られるでしょう。
でも、下院と上院がねじれ状態ならば、バイデンが当選したとしても、共和党はバイデンの案に対して上院で否決できます。
つまり、大幅な増税が出来なくなり、経済格差の是正が政策として出来なくなるということです。
投資家たちはこれに対して、歓迎しているということです。
うーん、投資家たちとそれ以外の世界の一般的な庶民とでは、求めているものが全然違うということがわかりますね。
投資家たちの本音は、「確かにトランプは社会分断を招くから嫌だ。でも、バイデンになったところで自分たちに不利益になったら困る」ということなんでしょうね。

なぜトランプがあれだけ嘘をついたりしてもあれだけ支持する人がいるのかをちょっと考えてほしいです。
トランプが社会の分断を招いているんじゃないんですよ。
そもそも問題は、経済格差やアメリカの国の中にも世界の中にもあって、それに不満を思う人たちいるからこそ、排他的な考えや右派ポピュリズムが蔓延するんです。
トランプはそうした人たちの感情を自分のいいように利用しているだけなんですよ。
おそらくお金や権力を持つ人たちの多くは、自分たちが悪いことをしているとは思っていないでしょう。
自分は努力して勉強した、仕事をした、これはその報酬に過ぎないのだと。
富める者と貧しき人がいるのは当たり前であり、それは自分たちのせいではなく、自分たちは目の前のことをしているだけなんだと。
でもみながそうした考えに陥ればどうなるでしょうか。
社会的な責任も負わず、ただひたすらに自分の利益だけを求めたらどうなるでしょうか。
経済格差が広がれば広がるほど、社会の分断が広がります。
社会の分断が広がれば、治安が悪くなりますし、最悪戦争も起こります。
でも一方的に一部の人たちだけが儲け続ければ、経済はそのうちに破綻するしかないんですよ。
小学生にでもわかることです。だって、貧乏な人たちばっかりになれば、そもそもモノを買えなくなるのですから。

問題は明らかに行き過ぎた経済格差です。
そして、それを自分だけは関係ない顔をして、「社会が悪いのはトランプみたいなやつがいるからだ」と他人のせいにして、ちゃっかりとお金を溜め込み続けている人がたくさんいることです。
行き過ぎた経済格差が解消されなければ、社会の分断も収まらないし、環境問題などのほかの問題も解決な方向に進みません。
そこら中に憎悪が撒き散らされるだけだからです。
トランプか、バイデンか。
それも大事です。
でも、改めて世界はリーダーだけが決めているのではなく、誰が何をすることで世界を自分たちのいいように仕向けているのか。
そのことを知ることもとても大事なことだと思います。