「新型コロナ感染者、ほとんどが外国人」発言の無責任さ

「新型コロナ感染者、ほとんどが外国人」は誤り。元東大特任准教授らがグラフ拡散

ネット上で「流行曲線:日本国籍とそれ以外」「日本人は累計でグラフの18%」などとするグラフ画像が出回っているそうです。
群馬県の山本一太知事も「外国人が8割」とツイートし物議を醸しだしています。

それにしても酷い話です。
そもそもこの記事にあるように、名前はカタカナでも外国籍か日本籍かわからない人なんてたくさんいるんですよ。
確かにわたしも病院に勤めているので、肌感覚で一般的に在日の外国人の人の割合よりも、コロナ患者の場合、カタカナ表記の患者が多くいることを感じるのは事実です。
でも仮にそのほとんどが外国人だったとしても、一体何の問題があるのでしょうか?
自分の身の回りにあるコンビニや飲食店をよく見てください。
不特定多数の客と接さなければならないエッセンシャルワーカーとして働いている外国の方はたくさんいますよね?
この人たちの大半は、日本が少子高齢化社会で人手不足になっているがために、その穴埋めをしてくれている人たちです。
普通に仕事をしていてもコロナに罹るリスクが高い職種です。
それを考えると、外国籍の人のコロナの罹患率が多少高くなるのは当たり前なんです。
しかも研修制度などという胡散臭い制度で外国人をかき集めていて、人手不足をおぎなっておきながら、いざ今回のような話になると手のひらを返すって、ちょっと恥ずかしいです。

何かというと外国人を叩き、日本人はちゃんとしている、というのは、ただの偏った自己肯定的な発想に過ぎません。

しかもなぜそうなっているのを深く調べもせずに、知事という立場の人間まで差別を煽るような発言をSNS上で行っていること自体がどうかしています。

なぜコロナに罹った割合で外国籍の人間が多いということを国や自治体が公表しないんだと騒いでいる人がいますが、そんなのわかり切ったことです。単純に深く考えずに差別を煽る人がたくさんいるからですよ。

日本人だけがちゃんとしているというのは、日本人が抱きたい幻想に過ぎません。どの国にもちゃんとしている人もいれば、そうじゃない人もいる。他人を差別することでしか、自分たちを肯定出来ないのは、ちょっと寂しい話です。